メとハ

雑感から世界をつくる試み

50年前、アポロ11号とわたしの父が打ち上がった

中学2年生だったという父はその日、英語教師が持ち込んだテープレコーダーから流れてくる英語に釘付けになった。 当時の英語の授業と言えば、日本人の英語教師が日本人向けにつくった教材と音声が限界で、そもそもネイティブの英語を聞く機会なんてなかった…

私たちは時代より空間のなかに生きている

広告代理店はリア充が多すぎてインターネットに生きてないのでこれからのIT時代の企画出しと乖離してる問題。「デザイナー」という職種1つとってもUIやUX基準じゃなく紙媒体の色校を永遠としてたり、忙しさでそれが問題だと気づかなくなってくる。採用基準…

言葉のない世界から

ダイアログ・イン・サイレンスにて。 聴覚障害を持つアテンドとの対話のなかで、「生まれて3ヶ月になる赤ちゃんの気持ちがわからないから、アドバイスをちょうだい」という女性がいた。 アテンドの答えは、「そりゃ3ヶ月だったら分かるわけないわよ」とい…

趣味の宇宙

「趣味は?」と聞かれると言葉が出てこない。たとえば山登りを趣味と言う人がいる。ギター弾きがいて、コーヒーショップ巡りの人がいる。フェス狂いの人もいれば、読書と言う人もいる。 別にそのどれもが好きであるが、もしその事柄が他の誰の趣味でもなかっ…

中動態の世界 國分 功一郎

哲学とアートが好きな理由は、哲学者とアーティストに憧れを抱く理由は、抜き差しならない個人の問題意識が表現されるからだ。 哲学者は机上で真理を探求していると思われるが、その実は、彼ら自身の無視できない問題意識を、いかに言語化し概念化し、理解し…

ニュー・シネマ・パラダイス ジュゼッペ・トルナトーレ

あまねく主人公と名脇役は、等しく群像の一部である。時代があり、社会があり、街があり、家族やすれ違う人々があり、その中のたったひとりの小さな人生が、物語として切り出される。だからこそ、小さな人生は大きな流れに回収される。トリミングされたキス…

スタンド・バイ・ミー ロブ・ライナー

良い物語は、完結しない。4人が奇跡的に共有した2日間は、あくまで長い人生の一部であって、僕達はそれをたった2時間、垣間見るだけだ。でもその2時間、スクリーンの中で確かに4人は生きていたし、4人のそれまでの人生とその先の人生は、スクリーンに…

わかりあえないことから 平田オリザ

「それに比して、いまの子どもたちは、もはや競争社会には生きていない。」 「表現とは、他者を必要とする。しかし、教室には他者はいない。」 ●「だから私は、市場原理ともどうにか折り合いをつけながら、この『コミュニケーション問題の顕在化』という事象…

誕生日は終わる

誰か一人ではなく、人間そのものを愛したいと思う。 ただ一人との愛を通して、人間について知ることはたくさんあって、この2年間もそういうことは多々あったように思う。 そう感じた時にその感覚を言語化することを怠っていたから、いまその気持ちを詳しく…